詩篇(し へん) 50
50 1 全能の神である主は、東の果てから西の果てまで、 人々を呼び集めました。 2 シオンの山のうるわしい宮から、 神の栄光が輝きわたります。 3 神は焼き尽くす火をまとい、 雷とともに姿を現されます。 そのまわりには嵐が猛り狂っています。 4 ご自分の民をさばくためにおいでになった神は、 天と地にこうお叫びになります。 5 「祭壇にいけにえをささげた人々を捜し出せ。 わたしに忠誠を誓った民を集めよ。」 6 神は完全に公正な裁判官となって、 判決を下されます。 天も、神の正しさを証言します。 7 「民よ、耳を傾けなさい。 わたしはあなたがたの神である。 あなたがたには告発すべきことがある。 8 わたしは、祭壇にささげられたいけにえに 不満があるわけではない。 それは欠かさず供えられている。 9 しかし、真にわたしの求めているものは、 いけにえの雄牛や雄やぎではない。 10 野原や林の獣は、 もともとわたしのものなのだから。 千の丘で草をはむ家畜も、 山の鳥もみな、わたしのものである。 12 たとえ飢えても、あなたがたに頼ったりはしない。 全世界とその中のものはみな、 わたしのものなのだから。 13 あなたがたに、いけにえの肉と血を、 どうしてもささげてもらわなければならない わけではない。 14 わたしが求めているのは、真心からの感謝、 わたしへの誓いを果たすことである。 苦難のとき、わたしを頼みとしてほしい。 そうすれば、わたしは助けの手を差し伸べ、 あなたがたはわたしをほめたたえるだろう。」 16 しかし、悪者に向かっては、 神はこう宣言なさいます。 「二度とわたしのおきてを口にしてはならない。 わたしがおまえに約束したかのように 思ってはいけない。 17 おまえはわたしの懲らしめを拒み、 おきてをないがしろにしたのだから。 18 おまえは、どろぼうを見ると手を貸し、 腹黒い者や不道徳な人間とつき合っている。 19 のろいのことばを吐き、うそをつき、 聞くに耐えないことばを口にする、 おまえのような人間は、 血を分けた兄弟の悪口さえ平気で言う。 21 今まではわたしも、じっと黙って見てきた。 おまえは、神は気にかけていないと思っていた。 しかしついに、罰の下る時がきた。 これらのことが、おまえの罪状だ。 22 神を忘れ去った者へ、最後のチャンスを与えよう。 わたしはおまえを引き裂こうとしている。 だれもおまえを助けることはできない。 23 心からの賛美は尊いささげ物。 それこそ、わたしの栄誉である。 わたしの道を進む人は救われる。」